絵本
かこさとしさんの、戦争をテーマにした幻の遺作が見つかった、とNHKで取り上げられ話題となっていた『くらげのパポちゃん』。こちら、見つかったのは原稿のみで、絵はありませんでした。そんな中、今回、絵を担当することになったのが、かこさとしさんの孫である中島加名さん。奇しくも、かこさんがこの『くらげのパポちゃん』の原稿を書いたときと同じ年齢でこの作品に出会った加名さん。祖父から孫へ、そして読者である子供たちへ。戦争を二度と起こしてはならないという強い想いが引き継がれた作品です。刊行する2025年は、終戦から80年にあたる年でもあります。存命の戦争経験者が少なくなり、「戦争経験を語り継ぐ」「平和への想いをつなぐ」ことが重要なテーマとなってきていますが、そんな中、子どもたちへの想いの架け橋となる作品です。かこさん自身の戦争経験を一人称で語った絵本『秋』と対になる、かこさとしさんの遺作による戦争2部作。『くらげのパポちゃん』はパポちゃん自身のかわいらしさやいろいろと登場する海の生き物で小さい子ものでも入りやすいつくりになっています。