日本文学
【内容紹介】
◆第五句集
水渡り来し一蝶や冬隣
大自然の循環の中に生きる全てのものへの祈りの心をもって作句していきたい。
(著者)
◆自選十句
光陰のなだれ落ちたるさくらかな
父と居る時間みじかし花は葉に
草蜉蝣苔の雫に生まれけり
母あればこそのふるさと十三夜
新雪のずずと沈みてとまりたる
雪の夜の尿瓶にいのち響きけり
葉の形して葉を落つる氷かな
熊捕りし夜は熊荒れの山が鳴る
挽歌みな生者のために海へ雪
狐火の映りし鏡持ち歩く
修二会僧闇踏み破り走りけり
雛の日の干潟に太き潮の道
【著者略歴】
昭和34年、東京都生まれ。
大学時代、俳句研究会白塔会において山口青邨に師事。
黒田杏子指導「木の椅子句会」、古舘曹人指導「ビギンザテン」、八田木枯指導「晩紅塾」に学ぶ。
「夏草」「屋根」「藍生」を経て、現在「秀」「星の木」所属。
俳人協会幹事、日本文藝家協会会員。
句集に『鶴の邑』『野の琴』(第二十回俳人協会新人賞)『遠き木』『櫻翳』(第四回星野立子賞)がある。